2009.12.22 (Tue) 桜庭 薫
負け組になりかけの日本――株出遅れが突きつけた課題
11月に入って世界的な株高局面が顕著になるなか、日本株については出遅れが否が応でも気になる動きが続いた。9月以降、中国、ブラジルなど新興国の株価指数が主導する形で、リーマン・ショック前の水準を回復する動きがみられた。その時点では、FRB、イングランド銀行に代表される先進国の中銀による金融危機対策の「異例の措置」が演出する流動性相場の恩恵による上昇という見方が多かった。しかし、10月以降は英国のFT指数を皮切りに、先進国でもリーマン前水準の回復の動きが相次いだ。
一方、日本株は「増資ラッシュ」「政策不透明感」「円高」という三つの国内要因で動けず、海外の株高という外部要因頼みの展開が続いていたが、11月中旬以降はそれすらも手掛かりとして生かせない窮状に陥った。日経平均先物は24日夜の時間外取引で長期トレンドを表す200日移動平均線(24日時点で9347円)をついに割り込んだのをきっかけに、下落基調を鮮明にした。
日本株の出遅れぶりは昨年末水準を割り込んでいたTOPIXを見るとより鮮明だった。これは主要先進国では日本だけという不名誉で、世界的に見ても、金融危機の直撃で国家破たんの瀬戸際まで追い込まれたアイスランドなど10カ国余りに過ぎない(11月末時点)。日本が金融危機の負け組に位置づけられつつあることを象徴する例の一つだ。
日銀が12月1日に追加の量的金融緩和策を決定したのを受け、株価はようやく反転し、悲観一色だった相場の心理状態は改善した。一息つけるようになったが、それにしても 日本株を取り巻く閉塞感が新政権発足の9月以降、急速に強まったのは皮肉というほかない。安値をつけた3月からダウ平均との連動性が続いていたが、11月5日に1万ドル台を回復したダウと対照的に、日経平均は同2日以降、1万円を割り込み、絶対数値では米国が日本を上回る状態が定着している。
日本株の出遅れが突きつけた課題は、経済と社会を取り巻く根源的かつ構造的な問題に起因すると考えたほうがよさそうだ。これを象徴する株価の値動きが民主党関連銘柄として注目された子育て関連の西松屋チェーンだ。7月に新政権誕生を織り込んで年初来高値をとった後は上値が重くなり、11月以降、下落基調に入った。民主党関連銘柄の不調の背景には、政策実現に対する不信感を抱き始めた海外投資家の増加がありそうだ。こども手当てが少子化対策として意味がいないというつもりはないが、ばらまきで終わらない包括的な対策を打ち出さないと、子育て関連銘柄に対する買いは続かない。急速な少子高齢化に見舞われる日本の成長戦略をまったく提示できていないことが、閉塞感を強めて海外マネーの流入を阻害している。
新政権が個別の政策を網の目のようにつなぎ、点と点を線から面に広げていかないと、活力ある国家の将来像は見えてこない。世界的なカネ余りという好機をまったく生かせない現状はかなり深刻だ。








